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世田谷リハビリテーション病院 > リハビリテーションコラム > 【第18回】大腿骨頸部骨折術後の生活の工夫

リハビリテーションコラム

2023.10.31

【第18回】大腿骨頸部骨折術後の生活の工夫

高齢者の転倒により生じる骨折の一つに大腿骨頸部骨折があります。大腿骨頸部骨折の治療のひとつとして行われる人工骨頭挿入術という手術の場合、一定の方向に手術した側の足を動かしてしまうと股関節が外れてしまう関節脱臼が起きてしまうことがあります。
手術方法の違いにより脱臼する姿勢(脱臼肢位)が異なります。

たとえば脱臼肢位が
股関節伸展・内転・外旋位だった場合⇒立った状態で振り向く、上の物を取る
股関節屈曲・内転・内旋位だった場合⇒足を組む、内股での立ち座り、しゃがみ動作、横座りなど

近年では脱臼肢位がないという手術方法もありますが、手術を受けた際には脱臼肢位の確認が必要です。
リハビリテーションでは関節運動や筋力トレーニングなどを社会復帰に向けて行いますが、脱臼肢位の影響で関節を曲げられない、痛みや筋力低下など、様々な要因でしゃがみ動作ができない、靴下が履けないなど日常生活動作の遂行が困難な場合があります。
そこで脱臼肢位を取らないための指導、自助具を使用した方法の提案や練習をしています。
実際に回復期病院で行っている生活の工夫例を紹介します。

バスボード

足が上がらなくなってしまった方、片足を上げるとふらついてしまう方
座って跨ぐことができる

ソックスエイド

前かがみが出来なくなり足先に手が届かず靴下を履けない方

マジックハンド

床に落ちたものを拾う時

福祉用具やネットショッピングで購入可能です。ソックスエイドは下敷きと紐で手作りすることもできます。道具を使用した脱臼予防や転倒予防をお勧めします。