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世田谷リハビリテーション病院 > リハビリテーションコラム > 【第23回】電気刺激療法

リハビリテーションコラム

2025.07.28

【第23回】電気刺激療法

電気刺激治療について

電気刺激療法とは、皮膚に電極を貼り、微弱な電気を流して筋肉や神経を刺激する方法です。目的によって、痛みを和らげたり、筋力を高めたり、ケガの回復を早めたりと、さまざまな効果が期待できます。例えば、肩こりや腰痛に悩む方には、電気で筋肉をほぐすことで血流が促進され、こわばりや痛みの軽減が期待できます。また、運動不足やケガで筋力が落ちた方には、筋肉に適度な刺激を与えることで、筋力低下の予防やリハビリにも役立ちます。さらに、脳卒中や脊髄損傷などの神経障害によって身体がうまく動かせなくなった方には、「動かしたい」という意志と連動して電気を流すことで、神経と筋肉のつながりを再教育し、日常動作の回復をサポートします。

電気刺激の効果と目的について

電気刺激には目的により使い分けができます。

・痛みの緩和

皮膚に微弱な電気刺激を流すことで痛みを和らげる治療法
神経を刺激して痛みの伝達をブロックしたり、筋肉の緊張をほぐしたり、血行を促進したりする効果があります。

・筋力強化

電気刺激によって筋肉を収縮させ、筋力増強やリハビリテーション、美容目的に用いられる治療法です。医療機関や整骨院などで運動が困難な患者の筋力低下を防ぐためのリハビリテーションとして利用されるほか、美容目的で筋肉のトーンアップや脂肪燃焼を促進するために使用されることもあります。

・麻痺への効果

電気治療では筋力強化・痛みの緩和以外にも麻痺に対しての効果もみられています。
電気刺激により皮膚や筋への感覚刺激を与え、脳に「身体の位置」情報を送る刺激を反復して与え続ける事で、脊髄で新たな神経経路が形成される要素があります。
脳卒中や脊髄損傷などによる麻痺などに対しての効果もあります。

電気治療を行わない方が良い人

・ペースメーカーを使用している方
・妊婦(特に腹部)
・痙攣発作の既往がある方
・皮膚知覚障害がある方
・悪性腫瘍が確認されている方

行わない方が良い部位

・心臓の上
・目
・感覚が損なわれている部位
・静脈や動脈の血栓症または血栓性静脈炎の領域の近く
・体内に金属・プラスチックを埋め込んである部位
・妊婦の腹部、腰部、骨盤部

※電気刺激治療の可否は医師が判断します

当院で使用している電気治療機器

・エスパージュ

主に痛みの緩和・血流の促進・筋力強化などが行える機械小型であるため場所を選ばずに治療が行える機械

適応疾患 脳卒中・脊髄損傷などの麻痺のある方、筋力落ちている人
ぎっくり腰 捻挫 ヘルニア 肩こり

・NMF1

主に筋力強化と神経再教育が行える機械

NMF1にはTGスイッチというスイッチが付いており、施術者が刺激を入れたいタイミングで刺激を入れる事が可能です。自分で足を上げて歩く動きが難しい、麻痺のある患者様などの歩行練習と組み合わせながら、電気刺激を加える事で筋肉・神経をより活性化させることができます。
適応疾患 脳卒中や脊髄損傷の麻痺のある方 筋力が落ちている方

・ES5000

主に筋力強化・痛みの緩和・神経に対しての効果があります。
特に痛みの緩和に対しての効果が強い。

特殊な電極を使用してより深い筋肉へ電気を加える事が可能です
適応疾患 ぎっくり腰 捻挫 ヘルニア 肩こり 脳卒中・脊髄損傷などの麻痺のある方

おわりに

電気治療器を使用する事で、筋力強化や痛みの緩和などに対してより効果的です。その反面注意点が多く、事故につながる事もあるので専門家の指導の下で使用してください。